キルトって、作家さんによる「棲み分け」がなんだか妙にくっきりしてますよね。行ったことのある方はご存じと思いますが、キルトフェスティバル等に行くと一目瞭然です。言い方を変えれば、各作家ごとの「個性」が表れているともいえますが、不可侵条約でも結ばれているかの様相です。ですので、作品を見れば「だれだれセンセイのだわん」ってすぐにわかりますよね。
つまり、どんな雰囲気の作品を作りたいかが決まれば、どの本を選べばいいかもすぐ決まります。
そんなわけで、作りたいものの雰囲気に見合う作家、その特徴と、えんつんの独断と偏見によるおすすめ本を紹介したいと思います。
あまたある本の中から、自分の欲しいものを見つけるのにお役に立てば幸いです。
落ち着いた雰囲気にしたい
アップリケや刺繍が好き・北欧風が好き
斉藤 謠子さん
先染めの布を使っているので、くすんだ色の作品が特徴。主に茶系、グレー系のグラデーションがシックで素敵。アップリケや刺繍が多く使われていて、それがユーモアがあって、シックなんだけどかわいいの。バッグや小物類の本がとても多いのですが、色が落ち着いているので持って歩くにはとってもおススメ。プレゼントにも年齢問わず喜ばれそうです。
ズバリ北欧。北欧でインスピレーションを受けて作った作品。ってコンセプトがたまらないですね。
この本は幅広くいろいろな作品が出ていて楽しいわ。
この本に出ているバッグ素敵。斉藤 謠子さんのバッグって形がおもしろいのです。見たことないようなものが、必ず出てくる!
私が大切にしている本がありまして…。
アップリケの本です。アップリケに特化した本なんてすってき~!テクニックやコツも出てるし図案もたくさん。138よ!!!図案を使用した小物類の作り方も出ているんですが、これがまたかわいいのなんの。
アップリケ好きなひと、カントリー調のキルトが好きな人におすすめです。ちなみに刺繍バージョンもあります。ちょっとお高いんですけどね・・・。
粋な和風にしたい
黒羽志寿子さん
藍染や更紗の和布を使った作品が中心。地味だけど、カッコいいです。やはり、和布だけに、ご年配の方に人気のようです。キルトのイベントで良くお姿を拝見しますが、いつも着物姿がバッチリ決まっているのと作品や作り方のポイントやコツなどを一生懸命説明されているのが印象的。そんな方の本だけあって、テクニックに関する説明が圧倒的に細かい。初心者、ベテラン問わず持っていて損はないと思います。
こちらの本は 、作り方やコツが親切に写真つきで解説されているのはもちろんのこと、いろいろなテクニックについても盛り込まれているので、1冊持っておくといいですよ。例えば、四角つなぎのピースワークについて「手縫い」と「ミシン」それぞれのやり方を写真つきで解説していたりします。とにかく親切丁寧なのが、黒羽志津子さんの本のすごいところ!
ちなみにこちらの本は、珍しく男性向きの小物なんかも紹介されています。藍染なら、男性が持っていても違和感なく素敵ですね。ちなみに、きんちゃく、ブックカバー、ペンケース、カードケースです。
他にも、私がおすすめなのは
ログキャビンの作品が多い黒羽志津子さんのログキャビンに特化した本。小物だけでなくタペストリーがたくさん出ています。変形のログキャビン(ひし形、平行四辺形、正三角形、六角形、だ円)がおもしろいです。そして、もちろん説明も細やか!
お花柄が好きな人は
ヴィクトリア風、アンティーク調が好き
宮崎順子さん
ヴィクトリアンテイストな、アンティーク調の作品が特徴。美しい花柄のプリント布に加え、リボンやレースをふんだんに使っているので華やかですが、色の組み合わせが大人っぽいので重厚な雰囲気を醸し出しています。ヨーロッパ製のレースやリボンを使っていたり、材料にもとてもこだわっているので、安っぽさが一切ないです。こういう本で見る目を養っていくと、いい作品が作れそう!
私はこの本が好きなんですが、クレイジーキルトの手法で作ったバッグがたくさん出ています。アマゾンは中古しかないみたい・・・。英国調好きにはたまらない1冊。
大人かわいいヨーロッパ風
こうの早苗さん
お花柄ですがシンプル、シックな雰囲気。落ち着いたピンクや若草色などの優しい色使いが素敵。まさに「大人かわいい」という感じでしょうか。パッチワークだけでなくお洋服の本も出されています。この方の本は、布使いがとても参考になると思います。
この本は基礎を学びながら、作品が作れますよ。こうの早苗さんテイストにあふれたタペストリー、小物、バッグが出ています。初心者さんも、ぜひトライしてみてください。
私が好きな本はこれ。アジアのシルクをパッチワークに取り入れているのですが、色や光沢がとても素敵。この本はタペストリー、ベッドカバーなど大作が多いです。ベッドカバーはどれもサイコーに素敵です。垂涎ものよ!バッグ、ポーチも少しあります。花柄プリントの上手な使い方が参考になり、とにかく眺めているだけで幸せになれる本。
ふひー
今回は、まずは落ち着き系とお花柄系行ってみました。
紹介したのは、主だった人というか、単純にえんつんの好みって話もありますが・・・。
本も、決して新刊というわけではないので、手に入らなかったらすみません。
キルトの本は、まず同じ布は手に入らないので、本と同じものを作るのは不可能なんですが、色使い、プリント使い等々、本を参考に近いものは作れます。デザインから自分でやるのは、なかなかできることではないので、上手に本を使っていきたいですね。
というわけで、この続きはまた・・・。